2025年6月、知人の40代女性の家に頼まれてもいないのに弁当や飲み物を届けたとして60代の女性が逮捕されました。
60代女性は相手の40代女性が拒絶しているにもかからわず、2回に渡って弁当や飲み物を置いて立ち去る嫌がらせ行為を行なったとされています。
一見とても親切な行為にも見えますが、嫌がらせ行為には当事者間でしかわからない意味合いが込められており、外部の人間がその真の意味を理解するのはかなり難しいです。
巧妙な嫌がらせ行為に対しては、的確な証拠集めによって悪意を明らかにすることが求められます。
本コラムでは、一目では悪意がわからない嫌がらせに対抗する方法を探偵目線で解説します。
ニュースの概要|断っても弁当を置いていく60代女性を逮捕
知人女性の家に押しかけ、女性が拒絶しているにも関わらず、飲食物などを置いて立ち去る嫌がらせ行為をしたとして、60歳の女が逮捕されました。迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されたのは、仙台市若林区の職業不詳の女(60)です。警察によりますと、女は今月14日と17日、宮城野区に住む40代の知人女性の家に押し掛け、女性が拒絶しているにも関わらず、持って来た弁当や飲料水を置いて立ち去る嫌がらせ行為をした疑いが持たれています。
引用元:【仙台】40代女性が断っても弁当を置いていく…迷惑行為で60歳女を逮捕「十分な食事与えられてないから」容疑を否認 – 2NN 2ちゃんねるニュース速報+ナビ
当事者にしかわからない嫌がらせ行為とは?
嫌がらせ行為とは、他人の気分を不快にしたり物的・身体的損傷を与える行為だと一般的には考えられています。
しかし、中には嫌がらせと見抜くことが難しい手の込んだものも存在します。
嫌がらせが起きていると外部に気付かせない
嫌がらせ行為の目的としては相手に直接的もしくは精神的にダメージを与えることにあります。
ですが、嫌がらせ行為が起きていることやターゲットがダメージを受けたことを他の人に知られたりすると、実行犯の非が認められるのは明らかです。
そのため、嫌がらせの首謀者や実行者は嫌がらせが行なわれていると周囲に気付かせないような工夫に神経を注ぎます。
そのため、全く関係のない人から見れば何気ない行為に対して、ターゲットを攻撃したり圧力をかける意図を含ませます。
今回のニュースにおいてお弁当や飲み物を置く行為が嫌がらせだと言われているのは、当事者同士の間でこれらの行為に攻撃的な意味合いが込められるようなやり取りの積み重ねがあったと推察できるでしょう。
どんな行為も嫌がらせになり得る
このような当事者同士でしかわからない嫌がらせの例にはどんなものがあるかとなっても、意味合いさえ持たせればあらゆる行為が嫌がらせとなり得ます。
そのため、どの行為が嫌がらせ目的なのかを明確に定義することは極めて難しいです。
逆に言えば、ターゲット側が嫌がらせ行為を認識しなければ、実行犯のダメージを与えたいという狙いも達成されません。
そのため、まず嫌がらせ実行犯は実行する行為に嫌がらせの意味合いがあるとターゲットに認識させることに努めます。
より具体的に言えば、何気ない行為に不快感を感じさせる要素をプラスさせることがあるでしょう。
例えば何かする時にターゲットがネガティブな気持ちになる言葉を織り交ぜたり、逆にターゲットが行なった行為に対してターゲットの意に反する反応をするなどです。
このようにしてターゲットに不快感を抱かせることを続ければ、いつしか一般的には取り止めのない行為であっても嫌がらせの意味合いが含まれるようになってしまいます。
嫌がらせだと認識させることに成功すれば、第三者が嫌がらせの存在を認識する可能性を格段に減らせる上に、ターゲットに対して的確にダメージを与え続けられるでしょう。
嫌がらせは水面下で進行している
嫌がらせの最大の目的はターゲットにダメージを与えることですが、ターゲットに明確なダメージを与えない嫌がらせ行為も存在します。
このような嫌がらせはターゲットに見える形で表面化することはなく、実行犯やその周辺だけで嫌がらせ行為を働いたことへの達成感や充実感が共有されることになります。
つまり、嫌がらせによるターゲットへの加害行為が実行犯の周辺の結束力を高めるためのスパイスとされてしまうのです。
自分が預かり知らないところで誰かが自分を不愉快にする目的で盛り上がっているのは、例え目に見える事実ではないとしても気分が良いものではないでしょう。
また、水面下での嫌がらせの進行はいつか明確にダメージを与える形で嫌がらせを表面化させるための計画を立てている段階かもしれません。
もし綿密な計画を立てた上で嫌がらせ行為が実行された場合、自分一人で対抗するのはかなり難しいといえるでしょう。
当事者にしかわからない嫌がらせに対抗するには
自分と相手にしか認識できない嫌がらせ行為への被害を訴えたとしても、他の人からすると何てことはない行為と認識されてしまえば被害の存在すら認識してもらえないでしょう。
そのような不利な状況に置かれて実行される嫌がらせ行為に対抗して解決に至るためにはどのようなことが必要となるのでしょうか。
嫌がらせの決定的な証拠を見つけ出す
嫌がらせ実行犯がなぜわかりにくい形で嫌がらせを行ないたがるかといえば、自らの犯行であることをわかりにくくして特定を避けるためです。
逆に考えれば、嫌がらせ実行犯が最も嫌うことは自分が嫌がらせを行なっていると明らかにされることといえるでしょう。
つまり、実行犯が嫌がらせ行為を行なっている明確な証拠を掴むことができれば、嫌がらせを止めさせるだけでなく内容によっては法的な責任を追求して、罰則を求めることも可能となります。
また、もし嫌がらせが首謀者と実行者による複数人の体制で行なわれていた場合、決定的な証拠を見つけることで関係する人物を芋づる式に見つけ出すことができ、責任の追求先を更に増やせるでしょう。
適切な証拠を集めるためには、探偵への相談がおすすめです。
証拠収集のプロである探偵であれば、嫌がらせ実行犯の狙いに対抗して的確に証拠を収集し、実行犯が言い逃れできない状況を作り上げることができます。
被害があると表明することも有効
当事者間でしか意味合いを理解できないようなわかりにく嫌がらせ行為を受けていた場合、「誰かに言ってもどうせ理解してくれない」と思ってしまい、自分の中だけで被害を封じ込めてしまうこともあります。
ですが、時にはどんな嫌がらせを受けているかを周囲に伝えることも有効な対策となり得ます。
なぜなら当事者間でしかわからない嫌がらせを行なう実行犯の目的は、周囲に嫌がらせの存在を知らせずにターゲットにダメージを与えること。
その目的をくじくためには、例えわかってもらえないとしてもあえて嫌がらせを受けていると表明することで周囲の人が嫌がらせの存在に気付くきっかけを作ることが有効です。
こうすることで、嫌がらせの存在を表面化させたくない実行犯を逆に追い詰めることができ、形勢は逆転するでしょう。
最近は企業など公共性を持つ団体ではハラスメント対策がどんどん充実してきており、嫌がらせ行為そのものに対する風当たりも社会全体で強まってきています。
ひと昔前では勘違いで済まされていたような内容も、親身になって聞いてくれる人もどんどん増えてきていることもあります。
今回取り上げたニュースでも、他の人が嫌がらせとわからない、むしろ親切な行為と思えるようなお弁当と飲み物を渡す行為も警察が動く事態とすることができました。
どんどん嫌がらせ被害に対する世の中の理解度が高まってきていますので、今まさに嫌がらせ被害に悩んでいるとしても一人で抱え込む必要はどこにもありません。
お悩みを打ち明けることが、現在置かれた状況を解決するための突破口になるのです。
第三者にわからない嫌がらせを解決する方法
当事者にしか意味が通じない嫌がらせは、周囲に理解されにくく、証明も困難です。
ですが、「嫌がらせがある」と感じているあなたの直感は、決して間違いではありません。
このようなケースでは、証拠を押さえて「行為の意図性」を立証することが重要です。
特に、継続性や対象の特定性が確認できれば、法的な責任を問える可能性も出てきます。
当探偵事務所では、こうした水面下の嫌がらせについても、聞き取りや張り込みを通じて、行為の実態を客観的に記録し、証拠として整理することが可能です。
一人で悩まず、まずはご相談ください。
見えにくい嫌がらせでも、正しく記録すれば、確かな対策につながります。