2025年8月19日 相続調査・財産調査 #相続トラブル

相続権の有無は、戸籍や婚姻関係を正確に把握することから始まります。

書類上は関係が見えにくいケースや、隠された婚姻・養子縁組の事実がある場合も。

探偵は現地確認や関係者への聞き込みで、正確な相続権の有無を明らかにします。

 

なぜ相続権の有無を確認する必要があるのか

相続手続を正しく進めるためです。だれが相続人かが不明だと、遺産分割も登記も止まり、あとから無効ややり直しになるおそれがあります。

税金の申告・納付にも影響し、加算税や延滞税のリスクも。早い段階で相続人を特定しておくことで、争いをへらし、手続をスムーズに進められます。

相続人の範囲と優先順位

  • 第1順位:子(亡くなっているときは孫へ代襲相続)。
  • 第2順位:父母など直系尊属。
  • 第3順位:兄弟姉妹(亡くなっているときは甥・姪まで代襲)。
  • 養子は原則実子と同じ扱い。連れ子は養子縁組をしていないと相続人になりません。

  • 婚外子も実子として平等。認知の有無がポイント。

  • 胎児は生まれたものとみなされる場合があります。

  • 内縁(事実婚)の相手には原則相続権なし(遺言で対応するのが一般的)。

 

相続人の確定は、被相続人の出生から死亡までの戸籍一式をそろえることが基本です。

漏れがないかを確認するため、改製原戸籍や除籍も時系列のとおりに集めます。

血縁関係が不明な場合のリスク

  • 「隠れ相続人」が後日あらわれ、遺産分割協議のやり直し。
  • 登記の取り消しや持ち分の再調整が必要になる。
  • 相続税で申告漏れとなり、加算税・延滞税の負担
  • 遺留分侵害額請求や無効主張など、長期の争いに発展。
  • 行方不明者がいると協議が進まず、家庭裁判所での手続が増える

遺産分割・遺言執行で発生するトラブル例

  • 住所不明・連絡不能の相続人がいて協議が成立しない
  • 海外在住や改名・再婚により、同一人物かの特定に時間がかかる
  • 認知の有無や父子関係をめぐる争い(DNA鑑定の要否)。
  • 自筆遺言の方式不備、改ざん疑い、最新の遺言の有無で対立
  • 生前贈与・名義預金・隠し財産の有無をめぐる疑念。
  • 相続開始後の財産持ち出しがあり、証拠が残っていない

こうした問題は、戸籍調査や関係者への聞き取り、現地を見にいく前提の調査、必要に応じてDNA鑑定を組み合わせることで整理できます。早期に相続人を確定するため、さまざまな資料を集めて裏づけることが重要です。

 

相続権を確認するための主な方法

相続権の有無を明らかにするには、公的な記録や科学的証明、第三者からの情報を組み合わせて裏づけを取ることが大切です。

特に海外案件では、日本国内とは手続や制度が異なるため、現地での調査経験やネットワークが重要になります。

戸籍調査による家系・血縁の確認(主に海外/日本では弁護士)

日本では相続人の確定に戸籍の取得が必須ですが、弁護士資格がないと代理取得はできません。そのため国内案件では弁護士の協力が不可欠です。

一方、海外では戸籍制度がない国も多く、出生証明書・結婚証明書・死亡証明書などの公的書類を現地機関から直接入手する必要があります。

国によっては公証人や弁護士を通す必要があり、探偵が現地調査や翻訳、認証手続をサポートします。

過去の婚姻・離婚歴、認知届の有無の調査

相続人の範囲は、被相続人の婚姻歴や離婚歴、子の認知の有無によって変わります。

婚姻記録や離婚判決文、認知届の記録は、公的機関や裁判所記録を確認することで判明します。

海外の場合、役所や裁判所での記録照会に時間がかかることが多いため、現地調査員による直接確認が有効です。

DNA鑑定による親子関係・血縁確認

血縁関係に疑義がある場合、DNA鑑定は最も確実な方法です。相続問題では、父子関係・母子関係の確認が主な目的になります。

日本では鑑定結果が裁判証拠として採用されるためには、厳格な採取手続と専門機関による分析が必要です。

海外案件でも同様に、現地の公的認証や国際的に認められた鑑定機関の利用が求められます。

関係者への聞き込みや証言の収集

公式記録や鑑定だけでは分からない事実を補うために、親族・知人・近隣住民などへの聞き込みを行います。

生前の交流や扶養実態、生活状況などが証言として重要になることもあります。

特に海外では、書類よりも人づての情報が早く正確な場合もあり、探偵が現地で直接会って証言を確保します。

証言は録音や署名付き文書として残し、法的手続に活用できる形にまとめます。

 

探偵に依頼するメリット

相続権の有無を調べる際、弁護士や公的機関だけでは得られない情報や、時間短縮につながる調査方法があります。

探偵を活用することで、法的手続きに必要な情報収集をスムーズに進められます。

公的書類や戸籍の収集サポート

日本国内では戸籍の代理取得は弁護士が行いますが、探偵は必要な書類や情報の特定、収集方法のアドバイス、関連する所在地の特定などをサポートできます。

海外案件では戸籍制度がない国も多く、出生証明書・婚姻証明書・死亡証明書などを現地の役所や大使館から入手するため、探偵が現地調査や申請代行サポートを行うケースもあります。

聞き込み・現地調査による非公式情報の入手

公的書類だけではわからない血縁関係や生活実態は、現地での聞き込みや直接訪問が有効です。

探偵は周辺住民や親族、知人からの証言を収集し、公式記録では確認できない事実関係を補完します。

相手に知られず秘密裏に調査可能

相続人の調査は、相手に知られることで証拠隠滅や情報遮断のリスクがあります。

探偵は尾行・張り込み・データ調査などを駆使し、対象者に気づかれずに情報を集めることができます。

証拠を報告書としてまとめ、弁護士や裁判で活用できる

探偵が収集した情報は、写真・映像・証言を含む調査報告書として整理されます。

この報告書は弁護士や裁判所での証拠資料として活用でき、相続人特定や相続権争いの解決に大きく役立ちます

 

実際の調査事例

相続権の有無をめぐる調査は、表に出にくい家族関係や過去の事実を明らかにする必要があります。

ここでは、探偵が関わった代表的な事例を紹介します。

①隠し子の存在が発覚したケース

被相続人の死亡後、遺産分割協議の直前に「自分も子どもだ」と名乗る人物が現れました。公式な戸籍には記載がなかったため、探偵が過去の居住地や交友関係を調査したところ、出生証明書とともに血縁を裏付ける証拠を発見

DNA鑑定の結果、実子であることが判明し、相続人として正式に認められました。

②認知されていない子どもの相続権確認

依頼者は、亡くなった父に婚外子がいる可能性を疑っていました。

探偵は母親の所在を突き止め、過去の交流記録や周囲の証言を収集

DNA鑑定を実施し親子関係が証明されたことで、認知手続を経ずとも裁判で相続権が認められる結果となりました。

③再婚相手の連れ子との相続関係調査

被相続人が再婚していたが、連れ子との養子縁組の有無が不明なケース

探偵が婚姻時期や戸籍の変遷、役所記録を調べた結果、養子縁組は成立していないことが判明

これにより、連れ子には相続権がないことが明らかになり、遺産分割協議がスムーズに進みました。

 

相続トラブルを防ぐためのポイント

相続争いは、相続人や財産の範囲が不明確なまま相続手続に入ることで発生しやすくなります。

事前に準備をしておくことで、家族間の争いや手続きの遅れを大きく減らすことができます。

生前からの相続人確認

被相続人が健在なうちに、法定相続人を確定しておくことが重要です。

戸籍や婚姻歴、認知の有無などを確認し、「誰が相続人となるのか」を家族全員が共有しておくことで、相続開始後の混乱を防げます。

海外に親族がいる場合は、現地の記録や証言も事前に整理しておくとスムーズです。

遺言書の作成と保管

遺言書は相続争いを防ぐ最も有効な手段のひとつです。法的効力を持たせるためには、自筆証書遺言の方式を守るか、公正証書遺言を利用します。

内容を明確にし、遺言執行者を指定しておくことで、手続きがスムーズに進みます。

保管は法務局の自筆証書遺言保管制度や公証役場を利用すると安心です。

調査結果をもとに弁護士と連携

探偵による相続人調査や証拠収集の結果は、弁護士との連携で最大限活用できます。

相続人間の交渉、遺産分割協議、家庭裁判所での手続きなど、法的判断が必要な場面では弁護士が対応することで、依頼者の権利を確実に守ることができます。

調査段階から弁護士と情報を共有しておくことが、迅速な解決につながります。

 

相続権に関する相談窓口

相続人や血縁関係が不明なままでは、遺産分割も登記も進まず、後からやり直しになるリスクがあります。

「相続権があるのか知りたい」「戸籍やDNA鑑定が必要か迷っている」など、どんな小さな疑問でもかまいません

当事務所では、相続権の有無や血縁関係を秘密裏に調査し、証拠として残せる形でご報告します。

まずは無料相談で状況をお聞かせください。あなたの権利を守るために、早期の行動が大切です。

 

執筆者の名前
監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。
得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。