公開日: 2025年12月9日 最終更新日: 2025年12月10日 #生活トラブル

手を繋ぐ親子の画像

「配偶者がいない、子どももいない……」

その焦りと絶望は計り知れません。

何をすれば良いのかわからず、途方に暮れてしまう方も多々いらっしゃいます。

子の連れ去り事案が発生した際にまずやるべきなのは、子どもの所在を明らかにすることです。

この記事では、子の連れ去りが発生した際、所在をいち早く明らかにする重要性について解説します。

連れ去られた子どもの捜索を警察に依頼できるのか、情報はどのように収集すれば良いのかも詳しく説明しているため、ぜひ参考にしてください。

子の連れ去りに関する現状

 

下記は、法務省が公表しているデータを元に作成したグラフです

 

出典:法務省 子の監護に関する処分事件の事件動向について

ピーク時よりも減少傾向にはあるものの、平成23年頃と比較して、明らかに高い水準で推移していることがわかります。

より緊急性の高い「子の引渡し」審判も、令和2年に602件のピークを迎え、高止まりの状況が続いています。

これらの事実から、子の連れ去りに関する紛争の発生件数は依然として高い水準にあることは明白です。

子の連れ去りは、今や誰の身にも起こりうる深刻な問題になったと言えるでしょう。

配偶者に子を連れ去られたら、いち早く所在を確認しよう

水色のランドセルを背負って空を見つめる小学生の女の子

配偶者に子どもを連れ去られた際は、子どもの所在をいち早く確認してください。

子供の所在がわからなければ、子どもを取り戻すための法的手続きを進められません。

この章では、子どもを連れ去られた際、いち早く所在を確認するべき下記の理由を詳しく解説していきます。

  • 子どもの所在がわかないと申し立てができない

  • 強制執行ができない

  • 親権獲得が難しくなる

子どもの所在がわかないと申し立てができない

子どもを取り戻すために法的手続きを行う際は、管轄の家庭裁判所に申し立てをする必要があります。

しかし、管轄の家庭裁判所は「子どもが今どこにいるか」によって異なります。

詳細は下記のとおりです。

子どもがいる場所 申し立てる場所
配偶者の実家 配偶者の実家の住所を管轄する家庭裁判所
新しく引っ越したアパート 引越し先の住所を管轄する家庭裁判所
シェルター 元の自宅の住所を管轄する家庭裁判所

連れ去られた子どもの所在がわからず、どこに申し立てればいいかわからないケースは珍しくありません。

法的手続きに移行するのが遅れ、裁判で不利になった事例も存在します。

スピーディーに法的手続きを取るためにも、いち早く子どもの所在を明確にする必要があります。

注意点

管轄がわからず、とりあえず最寄りの家庭裁判所に申し立てをするのは避けてください。

正しい裁判所に書類を送る「移送」という手続きで、2週間〜1ヶ月ほどのタイムロスが生じます。

この期間にも相手の監護実績が積み上がってしまい、親権獲得に不利に働く可能性があります。

強制執行ができない

仮に裁判で「子どもを引き渡せ」という判決が出ても、子どもがどこにいるかわからなければ、執行官は強制執行を行えません。

子どもの引渡しは、執行官が子どものいる場所まで赴き、保護して連れ帰る形で行われます。

「どこにいるかわからない」状態では、物理的に執行不可能になるため、裁判で勝っても子どもを取り戻せません。

このような現実があるため、子の連れ去り事案では「裁判で勝つこと」と同じくらい、「子どもの居場所を特定すること」が重要になります。

親権獲得が難しくなる

家庭裁判所は裁判において、「子どもの環境を無闇に変えるべきではない」という継続性の原則を重視します。

配偶者の元で生活した期間が長くなるほど、相手の違法性は薄まり監護権が正当化されます。

「今の環境で安定しているなら、そのまま暮らすのが子どものためだ」と判断される可能性が高くなるため、連れ去りを放置するのは危険です。

子どもを取り戻したい場合は、連れ去った配偶者が監護実績を積み上げる前に、所在を明確して法的手続きに移行してください。

子の連れ去りで警察が動く可能性は極めて低い

警察署

子の連れ去りによる親権争いは家庭内のトラブルとみなされ、民事として扱われます。

警察には民事不介入の原則があるため、「子どもを取り返すこと」には協力できません。

警察の介入が難しい理由には、「実の親が子どもを連れている」という点も関係しています。

形式的には誘拐に見えても、犯罪とは断定できないのです。

相談実績を残すという観点から見れば、警察への相談も有効ですが、実際に捜索してくれる可能性は極めて低いでしょう。

子どもを一刻も早く連れ戻したい場合は、他にも具体的なアクションを実行する必要があります。

連れ去られた子の所在を自力で確認する方法

白いスニーカーの靴紐を結び直す方法

連れ去られた子どもを取り戻すには、所在の確認が必須です。

この章では、連れ去られた子どもの所在を自力で確認・調査する方法を紹介します。

ただし、別居中の相手をしつこく調査するとストーカー扱いされ、DVの加害者として警察に通報されるリスクがあります。

親権争いでも致命的に不利になるため、自力調査は無理をしない範囲で留めることが大切です。

役所で公的書類を確認する

最も確実なのは、役所で下記の公的書類を確認する方法です。

確認すべき公的書類 わかる情報
住民票の除表 転居先の新住所(配偶者が転居届を出している場合)
戸籍附票 これまでの住所の移動履歴
子どもの医療証の履歴 子どもの医療証が新しい住所で再発行されていないか確認できる

これらの書類を確認すれば、子どもの新住所を確認できる可能性があります。

本人確認書類や印鑑、手数料などが必要な場合もあるため、持ち物は事前にチェックしておきましょう。

ただし、窓口で「DV等支援措置(閲覧制限)がかかっているため発行できません」と言われた場合、食い下がっても絶対に発行されません。

発行不可と言われた事実自体を記録し、支援措置により住所が開示されない旨をすぐに弁護士に伝えてください。

DV等支援措置とは

DV等支援措置とは、DV・ストーカー・児童虐待などの被害者が、住民票の写しや戸籍の附票の交付請求を制限する制度です。

加害者からの住所特定を防ぐことで、身の安全を守る目的で行われます。

デジタル遺留品を調査する

所在の手がかりがほしい場合、デジタル遺留品を調査するのも有効な手段です。

具体的な方法を下記にまとめました。

確認する場所 わかる情報
自宅のPCやタブレットなどの共有デバイス ログイン状態のSNSがあった場合、何らかの手がかりが得られる可能性がある
Googleフォトやアイクラウドなどのクラウドサービス 新居の写真や位置情報が同期されている可能性がある
通販サイトの履歴 Amazonや楽天のアカウントに、新しい配送先住所が登録されている可能性がある

デジタル調査で得られるのは、あくまでも断片的な情報のみです。

しかし、集めた情報を繋ぎ合わせることで、新たな手がかりを得られるケースもあります。

些細なことも記録し、仮説を立てる意識を持つことが大切です。

自宅内の物理的な痕跡を探す

子の連れ去りは、水面化で計画的に行われるケースがほとんどです。

しかし、準備過程で発生した物理的な証拠を完全に抹消するのは困難です。

下記を確認すれば、子どもの所在につながる情報が手に入る可能性があります。

  • レシート・領収書

  • クレジットカード明細

  • 手帳・カレンダー

  • 宅配便の控え

  • 電気・ガス・水道の解約・開通手続きの控え

  • 不動産屋や引越し業者とのやり取りを示す名刺・封筒

子を連れ去られた直後であれば、ゴミ箱を確認するのが最もおすすめです。

レシートやメモ書きなど、有力な情報がそのままゴミ箱に捨てられていることがあります。

関係各所に問い合わせる

どうしても手がかりが見つからない場合は、下記の関係各所に問い合わせるのもおすすめです。

  • 子どもが通っていた保育園・学校

  • 連れ去った配偶者の勤務先

上記に問い合わせる際は、子どもや配偶者が登校・出勤しているかを確認してください。

生活圏を特定する手がかりが得られる可能性があります。

しかしこれらの情報は、個人情報保護を理由に回答を拒否されることがあります。

問い合わせる際は自分が共同親権者であることを主張し、信頼を得られるように努めることが大切です。

確実に証拠を掴みたいなら専門家への依頼がおすすめ

人差し指を立てる興信所の男性

自力での情報収集に限界を感じる場合は、探偵に調査を依頼するのがおすすめです。

この章では、探偵に子どもの所在調査を依頼するメリットを紹介します。

圧倒的なスピードで特定できる

探偵は独自のノウハウを持った調査のプロです。

わずかな手がかりを元に調査を開始し、居場所特定につながる情報を収集します。

効率的な調査方法も熟知しているため、スピーディーに証拠を揃えることが可能です。

子どもの所在をいち早く突き止め、相手が監護実績を作る前に法的手続きに移行できるでしょう。

法的リスクを完全回避できる

素人だと違法行為にあたる調査でも、探偵であれば「探偵業法」に則って合法で進められます。

具体的な調査の例は、下記のとおりです。

  • 尾行

  • 張り込み

  • 聞き込み

  • 証拠収集に必要な撮影

上記以外の手段を使う場合でも、優良な探偵事務所が違法な手段で調査を行うことはありません。

依頼者が罪に問われることもないため、調査中に警察沙汰となり、親権者として不適格だと判断される事態を未然に防げます。

「使える証拠」が手に入る

探偵は「収集した証拠の質」にもこだわります。

情報が曖昧な場合は裏付けを取り、公的に通用するレベルまで精度を向上させます。

とくに、子の連れ去り事案で強制執行を行う場合は、番地や部屋番号まで正確に把握しなければなりません。

探偵はこの点を理解しているため、法的手続きに必要な証拠を慎重かつスピーディーに揃えます。

連れ去られた子どもを取り戻すには迅速な対応が必須

手を繋ぐ親子

この記事では、子どもの連れ去りに関する現状やスピーディーに対応する重要性、子どもの所在を明らかにする方法などを解説しました。

連れ去りから時間が経つほど配偶者の監護実績は積み上がり、違法性が薄まります。

裁判でも不利になる可能性が高まるため、子どもを取り戻したい場合は、スピード感を持って対応することが重要です。

自力での調査に限界がある場合や、いち早く子どもの所在を明らかにしたい場合は、探偵への依頼も検討してください。

探偵は情報をスピーディーに収集し、スムーズに法的手続きに移行するサポートを行います。

当事務所でも子の連れ去り事案に関する調査を請け負っているため、検討している方は無料相談にてお話しをお聞かせください。

    お名前 (匿名可)

    メールアドレス (必須)*

    電話番号(固定電話・携帯)

    お住まい地域

    お問い合わせ種別

    お問い合わせ内容(必須)*


    ※docomo・au・softbankなどの携帯電話アドレスはドメイン指定設定により毎月10件以上の「送信エラー」が起こっております。

    フリーメール(GmailやYahoo!メール)のご利用をおすすめします。しばらく経っても返信が来ない場合は、お電話にてご確認くださいませ。

    個人情報の取り扱いについてについて同意する * 

    執筆者の名前
    監修者・執筆者 / 山内
    探偵調査歴20年。国内外の潜入調査、信用に関する問題、迷惑行為、企業や個人生活での男女間のトラブルなど、多岐にわたる問題を解決してきました。豊富な経験と実績を基に、ウェブサイトの内容監修や執筆も行っています。